◇神葬祭
神式では、故人の遺体は墓に納めますが、その霊は祖先の霊と共に家にとどめ、一家の守護神(氏家)として祭られます。
臨終から一家の守護神として祭られるまでの、すべての儀式が神葬祭と呼ばれます。
神式の葬儀では、香(こう)ではなく、榊を使います。
ですから、焼香はなく、玉串奉奠を行うことが基本になります。
また、お金を包む場合も香典ではなく御玉串料と言います。
通夜(通夜祭・遷霊祭)、葬儀などは、基本的には仏式とさほど変わりませんが、以降は違ってきます。
神式では、遷霊祭の後、故人は守護神(氏家)になるとされているためです。
供養はしますが、仏式の法要とは少し違います。

◇葬儀の日程
神式では、神社を葬儀の式場にすると言うことはありません。
自宅、あるいは斎場に神職を招き、儀式を執り行います。
枕飾りをした後、枕直し、納棺の儀、通夜祭、遷霊祭と続きます。
その間に氏神や近くの神社に故人の死亡したことを告げる帰幽奉告の儀、出棺までの朝夕に食物を供える柩前日供(きゅうぜんにっく)の儀、墓所を祓い清める墓所祓除の儀などがあります。
現在では、かなり簡略化されています。
主の儀式では、仏式と同様に通夜祭、遷霊祭を死亡の翌日にとり行い、その次の日に葬場祭、出棺祭があります。
出棺のあとは、家に祓い清める後祓いの儀、火葬祭、埋葬祭を行って最後に帰家祭をして終わります。

◇安置

末期の水、湯灌、死に化粧、など基本的に仏式と一緒です。
死に装束は、経かたびらではなく、小そでになります。
白い木綿の小そで(きもの)に、白たびを履かせるのが正式です。
現在では、故人が好んで着ていた衣服を着用させその上に小そでを賭けるのが一般的のようです。

◇枕かざりと枕直し
仏式と同様に北枕で寝かせます。
枕元には、白無地の屏風を逆さに立てて刃物を台や盆の上にのせ、刃を遺体の方に向けないように置きます。
供物は白布で覆った小机か、白木の八足台(案)の上に三方を置いてその上にのせます。
神式の場合、次のようなものを置きます。
・水(小皿に盛る)
・塩(小皿に盛る)
・洗米(小皿に盛る)
・常饌(故人が生前好んだ食べ物)
・御神酒
・榊
洗米と常饌はどちらか一つでかまいません。
御神酒も地方によっては供えないところもあります。

◇納棺の儀(神式)
枕直しの儀が済んだら納棺の儀に移ります。
通夜に先立って遺体を棺に納める儀式で、正式には神職を招きますが、最近では葬儀社の人に手伝ってもらい、遺族の手でするようになっています。
出棺までの間は、朝夕の2回、洗米、水、塩などを供え、遺族が礼拝する「柩前日供(きゅうぜんにっく)の儀」を行います。


◇祭壇飾りと供物(神式)

祭壇には、遺影、守り刀(または鏡)、常饌をそれぞれ三方にのせ一定の形式に従って供えます。
神式では、なまぐさ物を供えてもかまいません。

◇通夜祭(神式)
通夜祭とは、仏式の通夜にあたるもので、遺体に対して生前同様の礼を尽くすものです。
斎主(葬儀を司る神職)が生饌または常饌を供え、祭詞をとなえ、誄詞(しのびうた)
※死を悼んで生前の徳などを追憶して述べる言葉をとなえます。
その後に喪主、遺族、近親者などが血の濃い順に玉串を捧げて拝礼します。

◇遷霊祭
遷霊祭は、故人の御霊(みたま)、つまり霊を霊璽(れいし)へ移す儀式で夜間に行うものとされています。
まず霊璽を用意します。
次に仮霊舎(かりのみたまや)として、殯室とは別に部屋を用意します。
そして家中の灯をすべて消した中で、斎主が棺前に安置した霊璽の正面を棺の方に向けて、遺体の顔にかざし、故人の御霊(みたま)が霊璽に移るようにという意味の遷霊詞をとなえます。
終わると御霊(みたま)の移った霊璽を仮霊舎に納めます。
この時から、故人は神となり生前の姓名に男性なら「命(みこと)」、女性なら「刀自命(とじのみこと)」もしくは、「姫命(ひめのみこと)」という敬称をつけて呼ばれます。
つまりこれが仏式における戒名の様な物になります。
違いは、仏式の戒名の場合、仏弟子になるための戒名であり、神式の場合は、故人が神になったための敬称であると言うことです。
この後、部屋の灯りをつけ、斎主以下一同は、仮霊舎の前に着席し、拝礼、献饌、祭詞奏上、続いて一同が喪主から順に玉串を奉奠します。 最近は、神式の場合でも簡略化され、仮霊舎を設けず、霊璽を棺前に安置して行う場合が多いようです。

◇霊璽(れいし)
仏式の位牌に当たる物 鏡または、柾目(まさめ)を通った白木に故人の名前と生年月日を書き入れたものです。

◇通夜振る舞い(神式)
基本的に仏式と同じですが、神式ではなまぐさ物は禁じていません。
日本では、古来より死後の世界を黄泉の国と言って、穢れた世界としています。
神道では、死のけがれを忌む習慣が強く、家の火がけがれないようにというので、通夜振る舞いでは、他の家で煮炊きしたものか、外から取り寄せたもので接待します。
また、神前に供えた饌を皆で食し供養したと言うところから、通夜振る舞いに発展したと言う説もあります。

◇葬場祭(神式)
葬場祭は仏式の葬儀・告別式に当たります。
神前に通夜祭の時に供えた常饌をすべて新しい物にかえます。
棺は部屋の中央、一番奥に安置し、故人の姓名と位階、勲功など社会的地位があればそれらも記した銘旗(仏式の位牌に当たります)を立て、棺を囲む三方に壁代をめぐらし、その外側に、不浄を防ぐ意味を持つしめ縄つきのいみ竹をたてます。


◇二礼二拍手一礼(神式)
神式の拝礼では、二礼二拍手一礼と言って、二回深くおじぎをしてから、二回柏手(かしわで)を打ち、最後にもう一度礼をします。
この二礼二拍手一礼は、普通神前にお参りするときや、神前結婚式の時と同じですが、葬儀の時は、しのび手と言って音を立てないように手を打ちます。


◇清祓の儀(きよはらい)
神棚にはった白紙を取り去るもので、本来は、五十日祭の翌日に行うものです。

合祀祭(ごうしさい)
仮霊舎に奉ってあった霊璽(れいじ)を祖先の祖霊舎に移して祭るものです。

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